モノのむこうにあるもの〜器と着物と常滑街歩き〜【1】マチカラ
常滑の器と暮らしの道具morrina杉江寿文さんにご協力を頂いて、 先週の土曜日に、イベント「器と着物と常滑街歩き」を開催しました。
モノの向こうには必ずそれをつくった人がいて、 街もそれがかたちになるまでにはなにか背景があります。
モノ特に器にのせられたつくり手さんからのメッセージを読み解くことで、 モノの選び方やモノとのつきあい方のヒントを見つけて頂こう。
街が出来上がってきた背景を知って頂くことで、 より常滑の街を楽しもう。
そんなことを杉江さんとお話ししながら企画したイベント・セミナーでした。
お天気が心配だったこの日は、まず街歩きから。
ずっとこの地にうまれ育っていらっしゃる杉江さんに解説頂きながら、 やきもの散歩道を散策。
ノスタルジックな雰囲気が感じられる常滑のやきもの散歩道。 観光として多くの方が訪れていらっしゃいますが、 でも、ここは観光のために意図的につくられたわけではなく ここで働き、くらす人の生活からごく自然に出来上がってきたのだそうです。 常滑のなかでも特に、このやきもの散歩道の辺りは多くの職人さんたちが すまい、仕事をしていた場所。 主に土管などが作られていました。
やきものの散歩道では、随所にこんな光景が見られます。 これは、土管をつくっていた頃に、規格から外れてしまったものを 廃棄せずに利用しようと作られたもの。
中にはこんな場所も。 奥は焼酎瓶。真ん中に土管を挟んで、石とレンガ。 レンガは、窯を作り替えたりしたときにでてきたもの。 石は、土管などの焼き物を海路で輸送したときに、 ある程度重さがないと走らない舟に、重量を与えるために とりあえず積んできた河原の石なのだそうです。
土管坂の道路の柄も、土管を焼くときに、土管と土管の間にかませた 「けさわ」という捨て輪が利用されています。 捨てるもの、無駄なものなど何もなく、すべてを活かしていく。 そんな職人さんたちの想いとプライドによってつくられた街、 それが、常滑のやきもの散歩道なのです。 長くなってしまったので、続きは次回に。