メメント・モリ
こんにちは。整理収納・防犯アドバイザーの瀬尾さちこです。
少し前になりますが、こんなイベントに行ってきました。
ウェルフェア(国際福祉健康産業展)。
ご高齢者や障害を持つ方の生活を支援する製品やサービスを幅広く紹介するというイベントです。
整理収納のサポートでご高齢の方のところにお伺いする機会も増えていて、今後もそうしたことに力を入れていきたいと考えているので、情報収集のために伺ってきました。 福祉車両を中心に、車いすや介護用品、住宅建材など、たくさんされていました。
展示の一角には、遺品整理や生前整理などのブースも出されており、たまたま勧めて頂けたので、こんなことも体験してきました。
棺の中に入ってみるという、納棺体験というものです。
納棺体験をされた方の中には、「とても落ち着く」ということを感じられる方もいらっしゃるようですが、閉所恐怖症の私は棺の中に入るだけでも心臓がドキドキ。
蓋を閉められた時には、思わず叫びたくなるほど、居心地の悪い場所でした。
棺の中には、これからもできれば入りたくないものだと思います。
こうした体験もさせて頂きながら、ふと「メメント・モリ」という言葉を思い出しました。
メメント・モリというのは、ラテン語で「死を想え」「自分が(いつか必ず)死ぬということを忘れるな」という意味。
古代ローマで、警句として使われていた言葉です。
この言葉には、「人間どうせ死ぬんだから生に執着するな」そして「人間どうせ死ぬんだから今の生を楽しめ」という2つの解釈があるのだそう。
ここ数年の断捨離や終活ブームは、1つめの「人間はどうせ死ぬんだから生に執着するな」という考え方に基づいているように思います。
”どうせ死んだらたくさんのものを持っててもしかたがないのだから、極力減らしましょう。”
確かに必要なことなのだとは思いますが、いつか死んだ時に家族に迷惑をかけないようにモノを捨てるというのは、ちょっとむなしいような寂しいような気分にもなります。
それよりも、楽しく心地よく毎日を楽しめるようにと考えたほうが、健全なんじゃないかって思うんですよね。
遺品の整理も、手放していくことを目的とするよりも、ゆっくりじっくり、モノを通じて亡くなったのことを思い起こしたり、家族への想いを再確認していく作業にしていったほうが、やさしい気持ちでいられるんじゃないかと思います。
いろいろな社会背景もありますが、私はそんな優しい整理収納を続けていきたいと考えています。