アートから感じる“関係”
名古屋の北区に尼ケ坂サロンっていう場所があります。
インテリアショップのようでもあり、雑貨屋さんのようでもあり、カフェのようでもあり、 本屋さんのようでもあり、ギャラリーでもあり・・・。 なにかが発信される場所。 ずいぶん前から気になってはいたのですが、数ヶ月前にやっと足を運ぶことができました。 最初はなんだか敷居が高く感じてなんだかすごく緊張したのですが、 今では私のお気に入りの場所の一つです。 先日、尼ケ坂サロンの2階にあるギャラリーで開催されてた、展覧会をみてきました。
『震災で消えた小さな命展』 絵本作家うささんの呼びかけで、58人の作家さんが被災された皆様の声を伺いながら 震災で亡くした動物たちを描いた作品が展示されていました。
そこに描かれている動物たちと私は初対面のはずなのに、 作品をみながら涙がこみ上げてきました。 作品1枚1枚から、描かれている動物たちと飼い主さん、 動物たちと作家さん、作家さんと飼い主さん、 その関係性や心のつながりのようなものがイメージされて、 絵の前に立っている私ともなんだか関係が生まれたような 不思議な感覚になったんです。 これまで美術館やギャラリーでいろんな展示をみてきましたが、 こんな感覚は初めてでした。 今回の展示は、震災で消えた動物たちが描かれていたから こうした関係を築きやすかったのかもしれません。 そういうことを抜いたとしてもアートの持つ力、 アートの持つ役割を改めて考えるきっかけになる、 そんな展示だったように思います。 それはもしかしたら、アートだけの問題ではなく 受け取る側・みる側の状態や感じ方も一つの要因なのかも。
『震災で消えた小さな命展』は、このあと 宮城県の南三陸町と多賀城市、石巻市、 岩手県盛岡市、東京都、和歌山県と各地を巡業するのだそうです。
それぞれの地域で、どんな人とどんな関係を伝え、 みる人はそこから何を感じるのか・・・。
私がこの展示をみたのは名古屋での展示の最終日。 この展示に出会えて本当に良かったと、思っています。